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更新日:2021年11月11日
山王遺跡第199次調査
調査区全景
4~5月にかけて、山王遺跡第199次調査を実施しました。
調査場所は、山王消防署の南側の住宅地の中にあります。
今回の調査では、古代・中世・近世の各時代の遺構を発見しました。
磁器の皿の出土状態
現在の地表から約30cm掘り下げたところで、江戸時代の柱穴が見つかりました。
柱穴からは江戸時代の陶磁器類が出土しました。
皿の内側。植物の模様が染付されていました
江戸時代の地層を掘り下げると、中世の溝が3本(①~③)が見つかりました。溝の幅は①、②で約5mあります(③は半分が調査区外であるため不明)。いずれも深さは約1.2mあります
溝の掘り下げ状況
溝の中からは、11~14世紀の中国銭や天目茶碗、漆器や下駄などが見つかりました。
漆器椀の底に描かれた花
これらの遺構や遺物から、中世の武士の屋敷があった可能性が高いと考えられます。
山王遺跡第200次調査
7月から山王遺跡第200次調査を開始しました。
調査場所は、JR東北本線の陸前山王駅南側に位置しています。
発掘現場を上空から撮影した様子
写真中央には円形に巡る溝が見えています。
溝の上(北側)に見える黒い四角形は、古代の井戸の跡です。
井戸の跡(左側)と円形の溝(右側)
井戸を埋めている土からは、畿内や東海地方から持ち込まれた焼き物が見つかっています。
また、調査区の南側の穴からは勾玉(まがたま)も出土しました。
出土した勾玉(まがたま)
調査は現在も続いており、10月まで続く予定です。
調査内容については、引き続きご紹介していきます。
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