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更新日:2022年4月21日
1月は図面作成が中心だったことから、新しい遺構の調査に着手していませんでしたが、今月は9・10月にそれぞれ報告した北2道路と西3道路の交差点、掘立柱建物、竪穴住居などの調査を行いました。今回は、珍しい遺物が出土した竪穴住居の調査について報告します。
下の写真は竪穴住居の調査状況を写したもので、住居内の埋土の様子を確認するために、十字に土を残しています。写真上方には、備付けのカマドが設けられています。
カマド付近の様子です。赤く焼けた部分は、カマドの天井が崩落したものです。カマド奥壁中央(写真右側)には、土師器甕が逆さまの状態で置かれています。土器の形を見ると、8世紀代のものと考えられます。
さて、今回発見した珍しい遺物というのは、須恵器の硯(すずり)です。円面硯(えんめんけん)と呼ばれている丸い形をしたもので、脚部4カ所に透かしがあり、縦方向に多くの線刻が施されています。
出土した時は土まみれでしたが、センターに戻ってきて洗浄すると、内側に「占□」のヘラ書きがあることも分かりました。
2月16・17日には東松島市で第45回古代城柵官衙遺跡検討会が開催され、全国の古代史や考古学の研究者が集まり、各地の調査研究成果について検討が行われました。
初日の16日には、多賀城市埋蔵文化財調査センターが行った市川橋遺跡と山王遺跡の発掘調査について報告しました。
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