ここから本文です。
更新日:2023年9月6日
市内市川字伏石で実施している市川橋遺跡第96次調査の成果です。
調査区内では複数の井戸跡を発見していますが、今月はそのうちの2基について、本格的に掘り下げを行い、全容をつかむことができました。
こちらは、四隅に支柱を立て、それぞれに横桟を差し込んで縦板を支える構造の井戸です。
井戸からは、9世紀後半頃の土器が出土しています。
写真中央奥の土器は、金属製の器を模したものとみられます。
灯明皿として用いたもの(写真右側2点)や、まじないの記号が書かれた土器(写真中央手前側)も確認しています。
こちらは12月の発掘速報で紹介した井戸です。
新しい井戸から順に掘り下げを行ったところ、底には方形の水溜が設けられていました。水溜の裏には浄水用とみられる木炭が詰め込まれていました。
こちらの井戸からは緑色の釉(うわぐすり)が施された皿が出土しています。
緑釉陶器(りょくゆうとうき)と呼ばれる国産陶器で、平安京では貴族の住まいで使われる高級食器です。
平安京周辺や尾張国(現在の愛知県)、長門国(現在の山口県)、近江国(現在の滋賀県)などで焼かれました。今回出土した緑釉陶器は、尾張国で焼かれたものとみられます。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください