多賀城市内の歌枕と作品

多賀城市内には、平安時代以来、都人が憧れ、歌に詠んだ名所・旧跡である歌枕が数多く残っています。その中には、大伴家持に贈った山口女王の恋歌もあります。多賀城の歌枕のはじまりには、家持が関係していたのかも知れません。

  • 浮島

    ①浮島

    しほがまの 前にうきたる 浮島の
    浮きて思ひの ある世なりけり

    山口女王(新古今和歌集)

  • 沖の井(沖の石)

    ②沖の井(沖の石)

    わが袖は 汐干に見えぬ 沖の石の
    人こそ知らね 乾くまもなく

    二条院讃岐(小倉百人一首)

  • 野田の玉川

    ③野田の玉川

    ゆふされば しほ風こして みちのくの
    のだの玉河 千鳥なくなり

    能因法師(新古今和歌集)

  • おもわくの橋

    ④おもわくの橋

    ふままうき もみぢのにしき ちりしきて
    人もかよわぬ おもはくのはし

    西行(山家集)

  • 末の松山

    ⑤末の松山

    ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ
    すゑのまつ山 なみこさじとは

    清原元輔(後拾遺和歌集)

  • 壺碑(つぼのいしぶみ)

    ⑥壺碑(つぼのいしぶみ)

    むつのくの 奥ゆかしくぞ 思ほゆる
    壺のいしぶみ 外の浜風

    西行(山家集)

  • 志引石(千引石)

    ⑦志引石(千引石)

    君が代は 千びきの石を くだきつつ
    よろづ世ごとに とれどつきせじ

    源顕仲(堀河院百首聞書)