浮島

現在、浮島神社が建つ緑繁る小さな丘は、かつて浮島のごとく見えたのでしょう。芭蕉の『おくのほそ道』に記されていませんが、随行した弟子の河合曾良の『曾良旅日記』には、立ち寄っていたことが記されていいます。山口女王は大伴家持の恋人の一人。浮島を詠んだ「しほがまの~」は家持に贈った歌といわれています。
絶世の美女と伝えられる小野小町は、謎に包まれた平安時代の女流歌人。六歌仙、三十六歌仙、女房三十六歌仙の一人でもあります。

浮島

しほがまの 前にうきたる 浮島の 浮きて思ひの ある世なりけり

山口女王(新古今和歌集)

陸奥は 世を浮島も ありと云ふを 関こゆるぎの 急がざらなん

小野小町(小町集)

多賀城市浮島一丁目