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更新日:2022年2月8日

発掘速報(平成30年12月)

市内遺跡における発掘調査(12月までに実施した調査)

多賀城地区ほ場整備事業に係る発掘調査

4月から継続しているほ場整備事業に伴う発掘調査の速報です。

現在調査中の山王四区では、古代に多賀城南面に広がっていた方格地割の南北道路跡を3か所で確認しました。

調査区空撮

画面上部左手に見える木が生い茂った丘陵が多賀城跡で、手前の農道沿いに調査区があります。

 

調査の際には、南北大路を起点として東から順番に道路の番号を付けて呼んでいます。例えば西5道路は、南北大路から数えて西に5条目の南北道路となります。

上の写真は、西5道路跡を南から撮影したものです。当時の道路には、路面の両側に側溝が掘られていました。道路が使われなくなって側溝内に土砂が溜まり、黒い土が帯状に見えます。

 

西5と西6道路跡の周辺では、前回の速報でもお知らせした、土器が大量に出土した大型土壙や、畑作に関連すると考えられる小溝跡などを発見しました。

大型土壙

土器が多量に出土した土壙

 

小溝群

畑作に関連すると考えられる小溝群

 

一方、西4道路跡周辺では、竪穴住居跡や掘立柱建物跡など当時の人々の住まいの跡などを発見しました。

建物跡

掘立柱建物跡の柱穴

 

古代のまちなみの中の様子を一度に確認できるのは、調査範囲が広大なほ場整備事業の発掘調査ならではと言えます。

市川橋遺跡第96次調査

4月から継続している伏石地区の発掘調査速報です。

10月速報で紹介した調査区の最新の成果です。

井戸1

10月速報で、「井戸を発見しています」と紹介しましたが、その井戸の調査に本格的に着手しました。

井戸2

この井戸には、新旧2時期あることを確認しました。

古い井戸は、横板組の大きな木枠を設けたものです(写真外側の木枠)。一部を確認した段階ですが、幅20センチ以上の横板が、3段以上積み上げられていることを確認しています。新しい井戸は、古い井戸の内側を縦板で区切り、一回り小さく作り替えたものです(写真で水の溜まっている範囲)。なぜ小さくする必要があったのか、今後古い井戸の調査を進める中でヒントが得られるかもしれません。

新田遺跡第127次調査

11月から始まった今回の発掘調査も、終盤を迎えています。少しずつ掘り下げてゆくと、古墳時代の竪穴住居が姿を現しました。

ND12701

建物予定部分に、竪穴住居がすっぽりと収まっています。写真の上が北になります。

 

ND12702

炭に覆われた竪穴住居

 

竪穴住居を東から見た写真です。手前に黒く見えるのは、炭の堆積です。建物が焼けていることがわかります。なぜ焼けたのでしょうか?

見つかったカマド

 

カマドは古墳時代に朝鮮半島から伝わりました。古民家などで私たちが目にするカマドと比べても、構造に大きな違いはありません。住居内のカマドが崩れ落ちた後には、甕が2つ並べて置かれていました。

カマドの周辺から見つかった土器

 

カマドの左右からは、重ね置かれた土器がいくつも見つかりました。土器は左右対称に置かれているものもあり、当時の人々が意識的に並べたように見えます。どんな人たちがここに住んで、どんな生活を送っていたのでしょうか。

古墳時代の住まいの様子が、そのまま土中から見つかった山王遺跡第127次調査です。

調査は12月末に終了する予定です。

お問い合わせ

埋蔵文化財調査センター  

宮城県多賀城市中央二丁目27番1号

電話番号:022-368-0134

ファクス:022-352-6548

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