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更新日:2021年12月22日

発掘速報(平成29年5月)

市内遺跡における発掘調査(4月・5月に実施した調査)

山王遺跡第179次調査、新田遺跡第119次調査

今年度のほ場整備事業に伴う発掘調査は、4月から5月にかけては、山王小学校より東側一帯の山王遺跡第179次調査、および北西側一帯の新田遺跡第119次調査について発掘調査を実施しています。
新田遺跡第119次はまだ調査に着手したばかりですので、今回は山王遺跡第179次調査の成果についてお知らせします。
山王遺跡第179次調査では、畑の畝溝(うねみぞ)と考えられる小溝群を主に発見しましたが、
小溝群より古い時期のものとなる竪穴住居跡も発見しました。

山王179次調査107トレンチ検出竪穴住居跡

107トレンチ竪穴住居跡検出状況(東から)

 

山王第120次調査120トレンチ全景

120-2トレンチ全景(下が北)畑の畝溝群

 

山王遺跡第181次調査

山王遺跡第181次調査は、南宮字町における共同住宅の新築に伴い実施しました。
調査地は、南宮簡易郵便局の北隣にあたります。
今回の調査では、古代の土壙(どこう)・ピット類を発見しました。

山王第181次調査プラン検出状況全景

遺構確認状況(東から)

 

山王遺跡第182次調査

山王遺跡第182次調査は、山王四区における建売住宅の建築に伴い実施しました。
多賀城南門正面から延びる南北大路から西側へ7本目となる南北道路の西側隣接地にあたります。
今回の調査では、溝跡や土壙を発見しました。
また、当時の人々が使用した須惠系土器(すえけいどき)や須恵器(すえき)、土師器(はじき)と呼ばれる素焼きの土器が多数出土しました。

山王第182次調査作業風景

作業の様子

 

山王遺跡第183~185次調査

山王遺跡第183~185次調査は、いずれも個人住宅新築に伴う発掘調査です。
山王一区に所在し、三陸自動車道多賀城インターチェンジの南側に位置しています。
各調査地点とも近接しているので、一括してご紹介します。

第183次調査区では、時期の異なる複数の掘立柱建物跡が、重複する状態で発見されました。
何棟分の建物が混在するのか、現在調査を進めながら検討しているところです。

山王第183次調査プラン検出状況全景

第183次調査遺構検出状況(東から)

 

第184次調査区では、湾曲しながら延びる溝跡のほか、ピットをいくつか発見しました。

山王第184次調査全景

第184次調査遺構完掘状況(西から)

 

第185次調査区では、溝跡や掘立柱建物跡のほか、調査区北東角で、多賀城南門正面を東西に延びる大路から北側へ1本目の、東西道路南側溝の延長と思われる溝跡も発見しました。
さらに下層には、河川跡と思われる砂層が堆積しており、加工痕跡の見受けられる木材を多数検出しています。
限られた範囲での確認ですので、この木材が河川で流れてきたものなのか、何らかの意図をもって設置したものなのか、残念ながら明らかにすることはできませんでした。

山王第185次調査全景

第185次調査全景(北西から)

 

山王第185次調査河川跡

第185次調査河川跡の木材検出作業(南から)

 

 

新田遺跡第118次調査

新田遺跡第118次調査は、新田字南安楽寺における個人住宅の新築に伴い実施しました。
七北田川の東岸から約100メートル東に位置しています。
最初の遺構確認面では、堆積層中に古代遺物を含むものの、遺構は発見されませんでした。
そこで、下層の堆積状況を確認するために調査区の一部をさらに掘り下げたところ、均質な砂質土の地盤が南側に下っていく様子が確認されました。
このことから、本調査地点は古代には傾斜地であり、生活に適さない環境だったことが推測されます。

 

新田遺跡第118次調査深堀トレンチ完掘状況

堆積層が南に下っていく様子(東から)

 

また、現在山王四区において、山王遺跡第182次調査の北側に隣接して、山王遺跡第187~191次調査を開始したほか、
山王一区の山王遺跡第184・185次調査区に挟まれる位置で、山王遺跡第192次調査も開始しました。
これらはまだ調査に着手したばかりですので、調査成果についてはあらためてお知らせしたいと思います。

お問い合わせ

埋蔵文化財調査センター  

宮城県多賀城市中央二丁目27番1号

電話番号:022-368-0134

ファクス:022-352-6548

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