更新日:2018年2月20日
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冬のお楽しみ、あったか鍋の季節です。
万葉まつり、たがじょう市民市、多賀城鍋まつりなどでおなじみの多賀城やかもち鍋。
野菜たっぷりでヘルシー、紫色の小さなお餅がアクセント、上品で味わい深いお出汁の味が魅力です。
さっそく今夜、心も体もあたたまる「多賀城やかもち鍋」で食卓を囲んでみませんか。
やかもち鍋レシピも掲載!
「多賀城には名物がない…それなら、自分たちの手で作ってしまおう」と生涯学習100年構想実践委員会(平成7年創立)の皆さんが物産研究会を立ち上げたのが平成16年ごろのことでした。20種類ぐらいの料理やお菓子が考案された中で選ばれた「多賀城やかもち鍋」。
生涯学習100年構想実践委員会のメンバーで「多賀城やかもち鍋」の考案者、鈴木きくえさん、そして会長の鈴木絹子さん、副会長の渡辺敬治さんを交えてやかもち鍋の誕生についてお聞きしました。
多賀城には特別の物はないのですが地元の野菜などは豊富です。どこの家庭にでもある野菜をふんだんに使った、新しい郷土料理ができないかと考えました。材料は、大根、にんじん、里芋、白菜、ねぎ、ごぼう…それから、多賀城産の古代米。
そして多賀城の郷土料理ですから、「多賀城ならではの歴史を鍋の彩りに添えられないかとイメージがどんどん広がり、多賀城が終焉の地といわれる万葉の大歌人大伴家持(おおとものやかもち)に思い至りました。
家持さんは、多賀城では一首も残していませんが、さぞかし和歌をしたためる短冊が欲しかったのではなかろうか。真っ白な大根は短冊のイメージにぴったり。他の色とりどりの野菜も短冊に切ってたくさんお椀に入れることにしました。
次に、家持さんの「持」にかけて「餅」を入れたらどうだろうと考えました。家持さんはきっと京の都に思いを馳せていたことでしょう、「餅」は、紫色の古代米粉と白玉粉を練り合わせてふっくらと小さい丸餅のように仕上げました。この古代米は多賀城の特産品です。
味付けは、白だししょうゆであっさりと京風の味に仕上げたら家持さんもさぞ喜んでくれるのではないだろうか。そんなことを考えながら作りました。
大伴家持の物語が込められた「多賀城やかもち鍋」は、生涯学習100年構想実践委員会のメンバーとボランティアにより、イベントなどで提供されています。
和食の基本、「だし」にこだわっています。昆布、かつお節、煮干、干ししいたけは一つ一つに丁寧にだしを取り、ブレンドしています。具材は野菜が中心で、普段手に入れるのが難しいような特別な食材は入っていません。だけど、野菜を引き立てるだしの味だけにはこだわっています。
皆さんにおいしいと言ってもらえるのが一番です。天童鍋合戦に参加したときには雪が降り大変でした。多賀城市がねんりんピックの将棋会場になったときには、500食も作ってもてなしました。人手不足、会場までの運搬方法、保健所への許可申請など、苦労や心配はいろいろありますが、「おいしいね」「また食べに来たよ」と言われると全部吹き飛んでしまいます。
平成28年11月の仙臺鍋まつりで特別賞を受賞したことは私たちの誇りです。
多賀城の郷土食としていつまでも残して欲しいですね。
平成28年10月に、多賀城中学校の生徒と一緒にやかもち鍋を作りました。生徒のお母さんたちにも参加していただき、だしを飲んだ際は「美味しい!」と好評。調理実習が終わってからも、だしを取る方法や家庭で作る際の注意点などを聞かれ、とても嬉しく感じました。1クラスずつ5日間、楽しく授業をさせていただきました。市内中学校の家庭科の先生や給食センター職員とも調理実習も行なったことがあります。
市民の方々もボランティアで来てくれるようになり、心強く思っています。やかもち鍋を作りたいと思ってもらい、今後も多賀城の郷土食として残していければと思います。一般家庭の食卓に広めていくこと、伝えていくことも私たちのひとつの仕事なのかなと思っています。
また、いつでも食べられるように市内の飲食店で提供してもらったり、レトルトに加工して販売することも夢みています。
多賀城への愛情と食べる人を大切に思う気持ちが込められた「多賀城やかもち鍋」
大切につないでいきたい一品です。
5人分の材料
鍋A(だし汁作り用)
鍋B(海産物の下ごしらえ用)
鍋C(具材の煮込み用)
【だし】
水で、煮干し・干し椎茸をやわらかくなるまで戻す。煮干し・干し椎茸がやわらかくなったら取り除く。
※ 海産物・せりまたはみつ葉は一般家庭で手に入るものでよい。季節にあわせての食材を使用すると良い。
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