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更新日:2015年12月1日

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彫刻家佐野美里さん

多賀城市笠神在住の新鋭彫刻家、佐野美里さん(28歳)をご紹介します。
佐野さんは、木彫作品を制作しており、生み出す作品は、自分自身であり、憧れの対象でもある女性の多面性を犬の姿で表現する郷土の若手アーティストです。

佐野美里さんインタビュー

なぜ彫刻を?

小さい頃から工作やクラフトが大好きでした。
中学、高校と美術部で文化祭の入場門やオブジェなど作るのがとても楽しくて。
進路を考えたとき、私は何かを作っている時が一番楽しいと思い、学ぶならば美術を学びたい、人に教えることも好きだったので教員免許も取得できる東北芸術工科大学を受験しました。

彫刻の経験はなく、大学でゼロから学びました。
18歳、19歳の頃、すごく落ち込んだり、強く劣等感を感じた時期がありました。その時、彫刻と向き合えた時間がとっても良くて、この経験を持ってすればどんな困難なときでもへっちゃらだって思えるくらい精神が鍛えられました。
上手い下手じゃなくて、思いであったり、熱意、私らしく、私の人間味で勝負できたらと思って、犬をずっと彫り続けています。楽しいです。
就職を考えたとき、自分が彫刻を学んできて、ものづくりをしていたり、木と対話しているときが一番自分らしくいられると思いました。

大学院卒業の2011年、東日本大震災が起きて、多賀城に戻り、ご縁があって支援学校で講師をすることになりました。
健常者も障害者も関係なく、純粋に良いことは良い、悪いことは悪いで生きている、そこに惹かれて、もっと彼ら、彼女らの魅力を引き出したいと思って、日々一緒に過ごしています。
それが自分の彫刻にも生きてくるんじゃないかなと思っています。 

 

アトリエ

 

甘噛みサル-キ2015

理解してくれる方々に恵まれ、1年とか数ヶ月単位で制作場所を提供していただいています。
現在は、設計会社の作業場をお借りしています。
居心地が良かったり、信頼できる人とのかかわりの中で作品を彫っていたいと思います。
以前、塩竈市の農家の納屋を使わせてもらっていました。そこに行くとそこの生活が味わえ、ちょっと近場で旅行しているような、短期のホームステイのような、刺激がありました。
そこでお世話になったおばあさんとのやり取りの中で作品も生まれました。
朝日が昇ってから、日が沈むまで畑仕事をがんばっているおばあさんの姿に、日常とか当たり前が一番幸せかもしれないと思って彫った作品が「甘噛みサルーキ」(2015)です。おばあさんと出会わなければこの子は生まれなかったかもしれません。

 

作品のこと

女性のアウトライン(表面上のかたち)を意識してずっと彫ってきました。
胸が膨らんでいるとか、男の人に比べてお尻がずっしりしているとか、腕のつき方も子どもを抱いたりするために柔らかくなっていたり、何かしら意味のある体つきに魅力を感じています。
ただ最近、内面的なところにも興味を持ち始めています。
自分の母親とかおばあさん世代の女性の方と話していると、いろんな生き方があって、でも今を一生懸命生きていて、年を重ねたけれども、「今が一番幸せよ」という方がすごく多いです。
その内面的な美しさがすごく刺激的で、塩竈のおばさんとの出会いから生まれた新作はその内面的な部分を重視して、シンプルな形、色味とか、中身からにじみ出るものを意識して彫りました。

 

10月17日に開催した、子育て親子の感性を潤すワークショップ「coppa!-彫刻の端材で遊び道具をつくろうよ-」好評でしたね。子どもたちの反応は?

多賀城では、アート系の催し物が少ないと伺っていたので、慣れないお子さんも多いのではと思い、準備して臨んだのですが、始めてみると意欲的なお子さんが多かったです。
木っ端の量がたくさんあったので、それで盛り上がり、感触遊びを楽しむ子もいました。
「ケーキつくる!」「わたしはスイカ!」などと積極的で、ほめて、励ましてあげるとどんどん作品ができていきました。既製品とは違う、自分で遊び道具を作る体験を喜んでもらえたと思います。
何度かワークショップをやってきましたが、大々的にやったのは今回が初めてでしたので楽しかったです。

彫刻に使っているのは楠(くすのき)です。楠はミントのようなスースーした匂いがします。
いろいろな刺激を体で感じながら、植物を通して、木を通して命や生き物を感じてもらえたらいいなと思っています。
また、なかなか彫刻に触ってもらう機会がないので、作品にも実際に触ってもらい、「これが彫刻で、これが楠で同じ木なんだよ」ということを教えたいと思っています

 

ワークショップの様子1

ワークショップの様子2

 

ワークショップの様子3

ワークショップの様子4

coppa!の誕生

coppa!で使うのは、木を彫ってでる欠片(木っ端)です。
木は、大きく育つまでに何十年とか、百年ぐらいかかっています。それを切ったものを購入して使っています。
だから、大切なものを彫らせてもらっているっていう感覚で、欠片もこの子(作品)も同じ木なのに、こっちはポイって捨てて燃えるごみになってしまうのが心苦しくて・・・そこで、閃いたんです。
「ワークショップしちゃえばいいんだ」って。
そのままだとごみになってしまうものでも、ワークショップをすればみんなの宝物になるって思ったら心の中の無理がなくなりました。良かったです。皆さんにも受け入れてもらえたし。
ネーミングは、木っ端(こっぱ)という音の響きがかわいくてそのまま使いました。

 

木っ端1

木っ端2

これからのこと

今回の多賀城でのワークショップはとても刺激的でした。
私が木を扱っていることを利用して、お子さんにはもちろん、お年寄りやいろんな年代の方に木と触れ合うこと、ものづくりを楽しんでほしいと思います。
ワークショップは、上手い下手は関係なく、どれだけ自分がのめりこめるか、また、その時の思いや感覚を形にすることが大事だと思っています。
多賀城で生まれ育ったので、役に立てるのがうれしくて、私自身のエネルギーになります。

2014年、初めて個展を開き、そこからだんだん皆さんに名前を覚えてもらい、作品を覚えてもらう機会が増えてきました。
生まれ育った多賀城や塩竈、利府、この界隈で少しずつ家族が増えているような気がして、皆さんとお話をしているとうれしいです。
いろんな人に出会うきっかけが、この子達のおかげでできているのでうれしく思っています。

作品を欲しいといってくれる人がいて、ちょっとずつお譲りしています。
2,3歳のお子さんがいるご家庭では、子どもが彫刻とおままごとするんですよ。
犬にご飯食べさせたり、ギューとかチューとかしたりして。
生活の中にアート作品があるっていうのも作っていてすごく幸せなことです。

私が目指している彫刻は、日常とか生活の中に当たり前に、家族のようにいてほしいと思っています。なでたいとかギュッと抱きしめたいとか、そういうものを感じてもらえたらいいなと思っています。

 

生まれ育った故郷、多賀城を拠点に頑張っている佐野さん!

今後も素晴らしい作品を期待しています。

ますますのご活躍お祈りしています。

 

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