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平成22年第3回市議会定例会(平成22年9月8日)における、多賀城市長の所信表明の全文です。
最終更新日 平成22年9月8日
本日、平成22年第3回多賀城市議会定例会の開会にあたり、市政運営に関する所信の一端を述べさせていただきます。
去る、8月の市長選挙において、議員並びに市民の皆様をはじめ、各方面の方々からの御支援をいただき、無投票での再選を果たすことができましたことを、衷心から感謝申し上げます。8月28日から引き続き市政の重責を担わせていただいておりますが、改めて身の引き締まる思いがしております。
また、市長選挙と同時に執行されました市議会議員補欠選挙において、戸津川晴美議員が初当選されました。心からお祝いを申し上げますとともに、今後の御活躍を御期待申し上げます。
さて、本市では、平成22年度を目標年次とした「第四次多賀城市総合計画」に基づき、各種施策の展開に努めてきたところでありますが、いよいよ最終年度を迎えたことから、平成23年度を初年度とする「第五次多賀城市総合計画」の策定を、多くの市民の皆様の参画を得ながら進めているところであります。
これまでのまちづくりの理念をしっかりと受け継ぎ、更に、時代の変化を捉えた新たな視点を加えて、市政の発展と市民福祉の向上のために邁進してまいりますので、議員並びに市民各位の御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げます。
私は、市民の視点で多賀城を見つめ、何か事があれば、即応してその現場に赴く現地現場主義の姿勢でこれまで取り組んでまいりました。この姿勢は、今後も継続してまいる所存であります。
これからは、市民総ぐるみで「まちづくり」を行う時代であると考えております。「市民が主役」の基本理念のもと、一歩一歩その歩みを続け、やがて、その坂の上には、「市民協働」の概念が定着し、市民の主体性が生かされる素敵な多賀城市がある、その実現に向け、懸命なる努力を傾注してまいります。
それでは、これからの市政運営の方向性につきまして、公約に掲げました「市民協働のまちづくり」、「子育て支援と教育環境の充実」、「いきいき健康増進都市の具現化」、「活気と活力に満ちあふれた地域産業の振興」、「都市基盤の整備等による魅力度アップ」の5つの分野に分けて、その概要を述べさせていただきます。
まず、市民協働のまちづくりについてですが、「市民が行政経営の主体である」という視点を常に持ちつづけることが、基本であると考えております。その前提として、市民の皆様と地域の問題や課題を絶えず共有できるように、「市長と話そう 気軽にちょっと茶っと」や「おばんです懇談会」など市民の皆様との対話を継続して実施するとともに、総合計画の進行状況を定期的に公表するなど、行政情報を積極的に公開してまいります。
この4年間で育まれた市民協働の取組を更に発展、充実させ、地域が抱える様々な課題について、市民の皆様が自ら考え、みんなで話し合い、そして一緒に解決していくことができる仕組みづくりを行ってまいります。
また、市民活動に取り組んでいる方々、又は取り組もうとされる方々の活動しやすい環境を整えるため、市民活動サポートセンターの充実を図ってまいります。
これらの取組の先に、市民の皆様一人ひとりがより良いまちの姿を考え、そして行動する、市民主役のまちづくりの実現があり、その中で市民発意の「住民自治基本条例」や「景観条例」が生まれてくるものと確信しております。
次に、子育て支援と教育環境の充実についてですが、核家族化の進行や保護者の就労形態の多様化に伴い、保育需要が高まっております。そのため、保育所入所待機児童の解消や留守家庭児童学級の過密化解消を目指すとともに、一時保育や病後児保育といったサービス内容の多様化を促進するなど、民間活力も活用しながら保育環境の充実を図ってまいります。
また、地域における人と人とのつながりの希薄化等に伴い、子育てに不安を感じる家庭が増加しております。保護者の孤立化を防ぐとともに、子どもを地域全体で育てる仕組みや制度の構築を目指し、子育てサポートセンターの充実等を図ってまいります。
教育基本法が改正され、学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力や、生涯学習の成果を適切に生かすことができる社会の実現が規定されました。
学校を拠点として地域全体で子どもを育み、学びあう環境を構築するため、学校支援地域本部事業や放課後こども教室推進事業を推進してまいります。
また、今年度で小中学校の耐震化が完了いたしますので、今後は、「文武両道」の元気な子どもを育てるため、学習指導や教育活動などのソフト面に重点を置いた環境づくりを進めてまいります。
次に、いきいき健康増進都市の具現化についてですが、生涯にわたり、元気でいきいきと暮らせることは全ての市民の願いであります。そのため、各種検診や健康指導を実施するとともに、多くの市民の方々がいきいきとした生活を送れるよう、健康づくりの意識啓発に努めてまいります。
健康づくりは、継続して実践することが何よりも重要です。また、家庭、学校、職場、地域が一体となって健康づくりを実践することは、連帯感や生き甲斐など、心の健康にもつながるものと考えております。
そのため、誰もが身近な場所で自分のペースで健康づくりを実践できるよう、健康ウォーキングマップの作成や健康ウォーキングロードの設定など、その環境整備に取り組んでまいります。
また、高齢者の方々が住み慣れた地域で、誇りを持って生活を送ることができるように、シルバーワークプラザを拠点として、生きがい活動の促進に取り組んでまいります。
さらに、介護や支援が必要となった高齢者の方々が安心して暮らせるよう、そして、介護する家族の皆さんの負担が軽減されるよう、日常生活の支援サービスや居宅サービス、施設サービスの充実を図るとともに、地域包括支援センターの機能を拡充するなど、必要なときに相談や支援が受けられる体制を整備してまいります。
「障害」は、決して限られた特定の人が持つものではございません。疾病や事故など様々な要因により、今、障害がなくとも、今後、障害を持つ場合もございます。
そのようなことからも、ノーマライゼーション理念の普及啓発に努めるとともに、障害を持つ方々が住み慣れた地域で安心して生活できるように各種事業を推進してまいります。
次に、活気と活力に満ちあふれた地域産業の振興についてですが、企業を誘致し、市内の経済活動の総量を増加させること、そして、働く場を増やすことが、本市の経営基盤を構築する有効な手段であると考えております。
平成9年度以降減少傾向にあった本市の製造品出荷額等は、近年、少しずつ回復してはおりますが、製造業者数の減少が続いている現状から大幅な増加は見込めないと言わざるをえません。
また、リーマンショック以降の長引く不況の影響もあって、本市を含む地域の有効求人倍率は0.4を下回る状況が続いており、雇用創出のための取組が必要と言えます。
そのため、既存企業との連携強化を図りつつ、八幡地区に工業団地を造成し、高い付加価値を生み出す高度電子機械産業をはじめとする製造業等を積極的に誘致してまいります。また、本市の起業環境・立地環境の優位性をより高めるために、国際貿易港である仙台塩釜港へのアクセス性向上と、(仮称)多賀城インターチェンジの整備促進を働きかけてまいります。
中心市街地の活性化は、本市のまちづくりの長年の課題であり、6万市民が待望している重要プロジェクトのひとつであります。
JR仙石線の高架化につきましては、昨年11月に上り線が高架化され、来年秋には下り線も高架化される予定です。また、平成25年度には多賀城駅のリニューアルも予定されております。本市が推進する駅周辺整備事業と合わせ、中心市街地の風景も様変わりし、整備の進展がやっと目に見える形となってきております。
今後、市内のみならず他市町にお住まいの方々も集えるような都市機能を備えた中心市街地となるよう、多賀城駅北側と南側の一体的整備を促進し、活気と賑わいを創出してまいります。
本市の農業につきましては、高齢化による担い手不足が深刻な問題となっております。今年度から新たに農家自立経営スタートアップ事業を実施しており、この事業を通して、農家の方々が本市の農業のあり方を模索し、意欲的に安全で安心な農作物の生産と流通販売体制の確立を目指すことを支援してまいります。
また、地域の資源を最大限に活用するという観点から、農商光(農業・商業・観光)の連携に基づく地産地消を促進し、また、その過程の中で「道の駅」の設置についても検討してまいります。
次に、都市基盤の整備等による魅力度アップについてですが、市民の生命と財産を守ることは、行政の本務であります。今後も水害・地震対策を推進し、市民の皆様の安全・安心を確保してまいります。
なお、高い確率で発生することが予測されている宮城県沖地震に対する備えにつきましては、今年度で小中学校の耐震化が完了することから、今後は、橋梁、上下水道施設、市役所庁舎等の耐震化を進めてまいります。
また、浸水対策につきましては、西部地区の雨水対策事業を重点的に取り組んでまいります。
本市は、国道45号、(通称)産業道路や都市計画道路玉川岩切線等の幹線道路が整っているほか、狭い市域でありますが市民が利用可能な駅が市内外に7つあるなど、非常に交通利便性が高いまちであると言えます。
今後は、多賀城駅舎の新築や駅周辺の整備状況を考慮しながら、バス路線の見直しを行うなど、多賀城駅を中心とした交通ネットワークの構築を推進してまいります。
かつてこの地は、西の大宰府とともに「遠の朝廷」と称され、また、歌枕の地として都人の憧れでありました。この悠久の歴史こそが、本市のアイデンティティであると考えております。
かつて、東北地方における政治経済の中心であり、都からの最先端情報を発信するとともに、異文化を吸収し、さらにそこから、人と物の交流が生まれた由緒ある地であることを、私は誇りに思います。
そのような思いから、司馬遼太郎氏の著作『街道をゆく』の一節にあった「多賀城そのものが、詩であるといえる」という言葉を引用させていただき、私はこの多賀城を「詩都」と表現いたしました。
「史都」としての歴史の重みに加え、多賀城が「詩」であると表されたことにより、都市としての重みがより増したものと思っております。
私は、この「詩都」と表現した風情・風景を後世に伝えるとともに、それらを生かしたまちづくりをすることにより、街としての品格が継承できるような多賀城を創造してまいりたいと存じます。
以上、2期目の市政運営に当たり、私の所信の一端を述べさせていただきました。これからも、常に市民が主役となる市政運営を目指すとともに、市の発展に尽力してまいりますので、これまで以上に御助言、御支援を賜りますようお願い申し上げ、私の所信表明とさせていただきます。
平成22年9月8日
多賀城市長 菊地 健次郎
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